2016/02/14

傘の墓場

 昨夜から春の嵐で、今朝、道草の家の周辺は台風の日のようだった。ぼくも外出支援の仕事に向かえるか… と心配したけど、なんとか大丈夫。家の周囲の様子を見ていると「今日はムリじゃない?」と感じられる(草木が鬱蒼としている、駅から少し坂をのぼった高いところにある、etc.)のだけれど、街のなかは平穏、ということはこれまで何度かあった。最近の街は風も死ぬような場所なのか(いま読んでいる細野晴臣『アンビエント・ドライヴァー』にも「かつて東京ではよく風が吹いた」と書かれている)。で、なんとか駅まで下って行き、トイレに寄ったら、トイレ前のゴミ箱がえらいことになっていた。傘の墓場か… ふいに、仲間の死体を捨てて逃げて行く兵士たちの姿が浮かんだ。で、なんとも言えない気持ちになり、ぼくは生きたビニール傘を抱いて仕事へ行き、しっかり持ち帰ってきた。

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