2015/10/19

「いつも通りにたたずんで」の頃

 吉祥寺で開催する作文のワークショップに向けて、今回は自分も書くことにした。テーマは「自作解説」。何を書こうと思ったかと言うと、15年近く前に、大阪芸大の卒業制作用にまとめた小説「いつも通りにたたずんで」のこと。あのころ、10年後の自分が読んで、その当時、自分が何を見聞きして何を感じ、どんなことを考えて、何を大切にしていたか、わかるようなものを書いて残しておこうと思った。アトリエの先生や学生との語り合いを通じて、そのことを思い出したので、この機会に読み返してみようというわけ。実際に読もうとしたら、不思議と気が乗らず、どうしたものかと思ったが、結果的にいろんなことを思い出すことが出来て、なるほど、と思うようなことも見つかった。稚拙な出来、というか、見方によれば実験的な作風の裏に、よくもまぁこんなにいろんな仕掛けをしたものだと思う。その年の文芸学科のグランプリ(最優秀賞)に選ばれた作品だったが、今回ぼくが読み取った内容を、当時ほとんどの人がわかったはずがないと思う。

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