2016/08/26

「補助線」を探して

 求められるのは「創造性」よりも、既存のものを活かす「創意」である。……「発明」することではなく、「発見」することである。(大久保賢)

 鷲田清一さんが朝日新聞の朝刊の1面で毎朝、紹介している「折々のことば」をTwitterで見ている。その「折々のことば」が今朝で500回と聞いて、今日は久しぶりに朝刊を買った。そうしたら、今日は相模原の事件からちょうど1ヵ月というので、いろんな記事、寄稿が載っている。いろんな人がいろんなことを言っている。でもぼくには、どの話も、たくさんの人が命を奪われることに、真っすぐにはつながらないような気がしている。「考える」「思う」こと、それと、実際に「やってしまう」ことの間には大きな断絶がある。思いつきで、事故のように起こされた事件ではない。鷲田さんがインタビューでこんなことを言ってる。「問題を考える時の補助線になるような言葉を探しています。」──ぼくも同じで、いつも「補助線」を探してるんだと思った。

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