人間のことは、あれこれ迷ってみてもけっきょくは運だと思った。(伊谷純一郎)
Twitterである方に教えてもらって読んでいる『ゴリラとピグミーの森』より。「サル」の日本人研究者による約半世紀前の東アフリカ紀行。これを2017年に読んでいる。何だか、いい。偶然の細い、細い、見えないくらいの細い糸がたまたまつながったようで嬉しくなる。それにこの本のなかに詰まってる濃厚な〈旅〉の感触が、ぼくを明るい、軽やかな気分にさせる。
なぜ、それで軽やかな気分になるんだろう。頭のなかだけでも現実の外へ連れ出してくれるから? いま、ぼくがいる日常も、思えば〈旅〉の一地点だということを思い出すから? 停滞していたものが、じわ、じわと動き出す気配を感じる。いや、地球はいつも回っているのだし、じつは停滞しているものなんてひとつもない。
写真は昨夜、大田区・武蔵新田の少し高いところから眺めた月。
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