曲がり角をいくつも曲がって、どこかへゆくためにでなく、歩くことをたのしむために街を歩く。とても簡単なことだ。とても簡単なようなのだが、そうだろうか。どこかへ何かをしにゆくことはできても、歩くことをたのしむために歩くこと。それがなかなかにできない。この世でいちばん難しいのは、いちばん簡単なこと。(長田弘「散歩」)
センター試験の前々日。坦々とやれることを続ける人、急に焦ったようになる人、雑談に興じる人たち、学生たちの顔を見ていて、いろんなことをぼくは感じる。今年度のぼくの授業はどうだっただろうか。上手くいったという感触は、ない。初めての試みに充ちていた。「読むということの根源を教えてるというか…」という人がいて、ありがたいんだけど、それ、ぼくは教えてるかな。ま、何はともあれ試験本番だ。みんな思い切ってやってきて! 困ったら(これはある方からの受け売り)つくり笑いでもいいから笑顔と、あと深呼吸を。
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