豊かな孤独。そちらの方から、少し明るい、軽やかな空気が流れてくるような気がして。(梨木香歩)
午前中、親子三人で森林公園へ行き、今日は初めて大きな滑り台のあるほうへも足をのばした。
ぼくの幼いころ、ぼくの家族はマンションに住んでいた時期があって(いま思えば短い期間ではあったが)、その近くには「グリーン・センター」と呼ばれる大きな公園というか、現在では鹿児島県庁のビルが立ち並んでいる場所が巨大な空き地になっていてこどもたちにとっては格好の遊び場になっていた。いまぼくの実家のある場所に引っ越してから、しばらくしてその「空き」は見事にキレイサッパリ消えてなくなった。そのときの茫洋とした悲しさは、ぼくの心の底にうっすら残っていて消えない。森林公園で光海と遊んでいると、幼い日の自分が、あの「空き地」にいるのを感じる。
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