今日は夕刻まで色とたわむれていた。若い時の私ならこういう時、色と格闘していたと言うだろう。(志村ふくみ「色と音」)
家では「作業」に忙しいので、自分の原稿は外出支援の合間とかに少しずつ書いている。いまやっているのは「S・すたいるへの手紙」というタイトルで書きはじめていたもの。自由気まますぎてハチャメチャだ。しかしなるだけぼくが受け取ったままに書いている。
その「S・すたいるへの手紙」を書きながら手元に置いているのは、志村ふくみ『一色一生』で、久しぶりに読んでる。──ぼくはいま、ことばと格闘する感じではなくなってるな、と思う。
ことばに対して苦手意識をもつ人たち、とくに若い人たち、こどもたちに、ぼくは何と伝えられるだろう。肝心なのは書くこと、話すことではない、読むこと、聞くことだ。発信ではなく受信。ひとりきりでいい、人知れず、震える小さな信号を受け止めること。
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