2015/01/24

肯定の炎を燃え上がらせる

 〈国家〉などというものは存在しない、だが、人間が一人で存在するわけもない。(W・H・オーデン)

 ぼくは中東情勢に詳しくない、だけでなく、自分の足元のちいさな、ちいさなことだけを見てうつむいて生きているような人間ですけれど、さすがに今週は「イスラム国」のことをいろいろ考えました。ぼくはそのような人間だから、武器商人たちを連れて中東へ行き「私たちがやっていることは人道支援です。また、テロには屈しません」と言って平然としている日本の総理大臣と政府の人たちの言っていることが具体的にどういうことなのかサッパリわからない。また、オーデンさんの例の詩を読んでいた。「下劣で不誠実なこの十年の せめてもの希望がいま消える」「子どもでも知っていることだ──危害を加えられた者は かならず仕返しをする、と。」「同じ否定と絶望に 包囲されているこのぼくにも、肯定の炎を燃え上がらせる 力の恵まれんことを!」

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