2016/04/08

命日

 思い出か、予感か、それさえ見当のつかないものが、海のように、光のように満ち、遠い白い建物として、異国的な樹々としてたちならぶ。僕にはこの状態が幸福なのだ。(小川国夫)

 ぼくの「ことば」の師匠・小川国夫が亡くなってから、今日、4月8日で丸8年がたちました。いまでも、聴こうとすれば、耳のなかに小川さんの声が聴こえます。亡くなってから、年々、よりよく聴こえるようになってきた気すらします。最近は夢のなかには出てこられなくなりましたが、いまは出る必要がないと思われているのかもしれません。彼の著作は手もとに山ほどありますから、いつでも読めます。ぼくは小川国夫を「神格化」するのがすごく嫌だし、自分の「宣伝」に使う気もしない。ひとりでただ読みつづけているだけです。

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