2015/11/17

偶発性の尊重

 山下達郎のツアーに行く、コンサート以外のお楽しみのひとつが、このパンフレット。今回も合計3万字超え(らしい)(自分で数えたわけではないですが)の読み物が収録されていて、『SONGS』を「より深く知るための、スペシャル・セルフ・ライナーノーツ」(ようは自作解説)と、これまでのコンサート・ツアーをめぐるロング・インタビューの2本で、テキストは能地祐子さんによるもの。『SONGS』のほうには、大瀧(詠一)さん(念のために書いておくと『SONGS』のプロデューサー)の仕事には「偶発性の尊重」がつよくあったというようなことが書かれていて、いや、それもずっと感じながら聴いてきましたけど、さらに細やかな発見があった。
 コンサートの半ばでは、世界中にはびこっている「戦争」のこと、2日前に起こったパリの同時多発テロのことにも少し触れて、数年前にも披露していたある曲を演奏した。強いファンク・ビートにのった宮里陽太のソプラノ・サックスが、信じられないような、遠く、どこまでも届くような息のながーいロング・トーンを聴かせた。

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